What's JC
JCとは
理事長所信
brief
はじめに
私は大学生活と一般企業での就業を経て、25歳で家業を継ぐべく地元四日市へ戻ってきた。地方の中小企業の後継者としての立場で入社し、家業に対して精力的に励む中で、お世話になった方々からご縁をいただき、四日市青年会議所の門を叩いた。入会以降、四日市青年会議所や出向先での活動を通して、多くの方々と触れあってきたが、青年会議所には様々な職業や役職の方々が在籍しており、年齢や性別、国籍も多種多様であることを知った。そして、一年ごとに変わる青年会議所での機会に精力的に取り組み、その過程で多くの経験を得るとともに、様々な価値観に触れることで、入会以前の私が持つ考え方は自然と変わっていった。
人は自分が興味関心の少ない物事に対しては積極的に関わることをしない。一方で、興味関心の少ない物事の中には、自分自身に新たな視点と気付きをもたらす機会が多く存在している。入会以前の私も関心の少ない物事に対しては一線を引き、ともすれば、嫌なことを避けながら人生を歩んできた。しかしながら、好むと好まざるとに関わらず、青年会議所は多くの機会を提供する団体であり、周りの仲間の姿勢に私自身も影響を受け、少しの勇気を持って一歩を踏み出してきた。それは年々(としどし)の役職を引き受けることだけに留まらず、出向の機会を得ることや、各種事業や同好会への参加など、未経験の様々な物事に対してである。時には迷い、悩み、苦しみながらも、仲間と共に議論し行動する中で、多くの難問を解決することができた。その過程で、仲間と支え合うことの大切さを学び、仲間との熱い友情が育まれ、自分自身が以前に比べて、青年会議所の活動もさることながら、様々な物事に対して年々(ねんねん)積極的になっていることに気がついた。また、自分自身のことだけでなく家族や仲間などの他者を思い、自分が所属する組織のことを考え、自分が住むまちの未来を考えるようになった。
現代社会は科学技術の発展、人工知能の発達などの影響もあり、これまでに比べて自分の興味関心のある物事に関する情報に囲まれている時代である。しかしながら、自分の生き方を変えるような新たな知見や気付きを得る機会は多くない。時には受動的であったとしても、人は人と交流することで、様々な知見を得るとともに、その姿勢や価値観から影響を受け、新たな一歩を踏み出せる。その結果として、それまでに持ち合わせなかった自分自身の新たな価値観が、その人の人生をより豊かにするであろう。周囲を巻き込み、互いを認め合い、支え合い、新たな自分を発見する冒険へ一歩を踏み出そう。
新たな価値観に気付き目的意識を持った会員拡大
青年会議所だけでなく、多くの組織にとって会員拡大は必要な取り組みである。それぞれの団体には理念と目的が掲げられ、趣旨や活動内容に賛同した会員が所属している。所属している組織の良さに触れ、考え、相手に伝えるのは、会員自身である。その際に必要なのは、自分の経験を踏まえて自らの言葉で活動の意義を伝えるとともに、相手に寄り添い、共に活動する未来がどのように相手に影響を与えるかを伝えることである。
まずは会員自身が青年会議所に所属している目的を改めて考え、組織の掲げる理念と目的を学び、組織がもたらす多くの活動を通して自分自身が目指す目的を達成できる未来図を描くことこそ、会員拡大への第一歩である。そのためには、会員個人で考えることはもちろん、様々な会員の考えや経験も取り入れることで、未知の活動への見え方、これからの関わり方に変化がもたらされる。新たな自分自身の気付きと変化を胸に刻み、青年会議所の様々な活動に対して、希望を抱く姿を想像してみよう。
活動への向き合い方が変わると、組織に対する見方が変わり、周囲の人々への伝え方が変わる。私自身も入会以降、様々な機会を経て、青年会議所への見方が変わった。当初は他団体で経験してきた活動量との差異に戸惑いながらも、熱心に取り組む仲間の声や姿勢に影響を受け、いつしか与えられた機会を好機と捉え、積極的に参加していくようになった。そして、それぞれの活動に対して目的意識を持って臨むことで、活動への熱量も増え、周囲を巻き込めるようになった。周囲を巻き込むことは簡単ではない。相手のことを知り、寄り添うことで、相手がどのように考えているかが分かる。そして、迷う相手の背中を押すためには何が必要かを考える。そのことが新たな気付きを自分自身にももたらす。仲間のことを思うことが、より良い影響を相手にも自分にももたらしてくれる。こうした好循環を組織の中に自然と芽生えさせていこう。
より多くの目的意識を持った会員が増加することで、組織の持つ力も強くなり、力強く前進する。また、所属して間もない会員が青年会議所について学び理解し、成長する機会を用意するとともに、育成システムを改良していくことで、会員の成長速度は更に加速していく。そして、まだ入会していない方々に対しても、様々な可能性を指し示すことができる。青年会議所がもたらす機会や価値について自らの言葉で相手に語り、更に多くの会員を増強していこう。会員拡大は自分や相手に新たな価値観をもたらし、各々の成長につながり、ひいては、明るい豊かな社会へとつながるのだから。
ダイバーシティ社会の実現に向けた機会の創出
我々が住む三泗地区の市町村はそれぞれ総合計画を策定している。四日市市では2020年から2029年にかけての四日市市総合計画を策定し、2025年度に中間見直しを行った。また、三重郡三町においても同様に2020年代において総合計画が策定されている。四日市青年会議所においても、2025年度において、2025-2029 中長期ビジョンを発表し、活動の指針としている。様々な課題がある中で、2026年度はいずれにも共通する地域におけるダイバーシティ社会の実現に焦点を当てて運動を展開する。
ダイバーシティ社会とは「性別や年齢、国籍や文化的背景、性的指向や性自認などの多様性が受け入れられ、誰もが個性と能力を十分に発揮できるようになっている社会のこと。」を指す。そして、多様性が受け入れられた地域では、より広範な住民がまちづくりに参加し、住みよいまちの実現に向かっていく。近年では人口減少社会の到来に伴い、女性や高齢者の労働参画が進み、外国人労働者の日本国内での増加も顕著である。特に四日市市は市民の約4%が外国人と、全国的にみても外国人住民が多く居住する都市となっている。一方で、四日市市は以前から外国人の受入人数が全国の中でも早期に進展してきたこともあり、2004年3月に「四日市市国際共生推進プラン」を策定したのを皮切りに、様々な取り組みが実施されてきた。こうした取り組みのおかげで四日市市では外国人住民も共にまちづくりの担い手として活動する多文化共生社会が育まれている。
外国人住民との共生に限らず、ダイバーシティ社会の実現にとって必要なことは、差別や偏見に囚われず、互いの考えを尊重し、様々な立場の方が理解し合える交流の機会を促進していくことである。交流を通して地域の中に多様性が育まれることで、社会はより一層温かな人々であふれ、活力あふれる地域社会につながっていく。我々が住むまちのダイバーシティ社会の実現への取り組みを図るとともに、青年会議所会員にとっても青年会議所が掲げている目的を改めて考え、今後の行動の礎を築く一歩としよう。
青少年育成基金「サルビア基金」の助成を通した青少年育成
青少年育成基金「サルビア基金」とは一般社団法人四日市青年会議所が、1981年に「わが国、わが地域の次代を担うべき青少年の心身の健全育成、向上を図ること」を趣旨に掲げ創設した基金である。近年では地域の皆様からのご支援も広がり、基金の収入が安定的に推移するようになった。これまでは四日市青年会議所が主催する事業で基金を交付する形が取られてきたが、改めて規約に掲げられている目的「青少年の心身の健全育成をめざして日々努力をしている団体及び個人、又は今後青少年を育成するうえで、必要と認められる事業・活動に対して助成していくこと」にも立ち返り、四日市青年会議所が主催する事業だけでなく助成する形での交付に取り組もう。この取り組みを通して、新たな「サルビア基金」の可能性を探るとともに、青年会議所会員にとっても新たな発想や学びを得る機会にしていこう。
国際的理解を深める国際交流の推進
スイスの有力ビジネススクールIMDが発表した「2024年版世界デジタル競争力ランキング」 における日本の順位は、67の国や地域中 31位となり、特に「ビジネスの俊敏性」「上級管理職の国際経験」「デジタル/技術的スキル」は最下位の67位となった。国際経験の低迷は以前から叫ばれているものの、四日市青年会議所会員にとっても、国際の機会を活かして自己成長やまちづくりにつなげている会員は多くない。また、近年では国家間の紛争、貿易摩擦、ナショナリズムの台頭、外国人住民との摩擦などを目にする機会も増えている。地域に住み暮らしながら、国際的な視点を持つことはこれまで以上に求められている。
四日市青年会議所の国際の機会の一つに台湾の青年会議所である雨港國際青年商會との交流がある。1985年の姉妹締結にはじまり2025年度には姉妹締結40周年を迎えることができた。これまで以上にお互いの関係性を深めていく好機であり、これまでの交流から一歩進んで、新たな交流の形を創出することに取り組もう。
青年会議所の目的の後半には「国際的理解を深め世界の平和と繁栄に寄与する」と掲げられている。国際交流を通して、国際人としての考え方や関わり方を学ぶことができるのは青年会議所が持つ大きな特徴の一つである。こうした経験は自分自身に新たな価値観をもたらし、地域社会のリーダーとしての新たな視座をもたらしてくれる。
議論を恐れず、多様性を受け入れた持続可能な組織作り
青年会議所の組織においてもダイバーシティの実現は、組織の新たな可能性を発見することにつながる。多種多様な会員が活躍するためには、それぞれの会員が相互理解を深める会員交流を図るとともに、性別や国籍、年齢に囚われず、誰もが活躍できる運営方法を模索していく必要がある。日々の活動はもちろん、委員会や理事会、各種総会の場において多様性を受け入れた持続可能な組織作りを進めていこう。そして、その中で培われた経験を自身の家庭や社業にも還元することで周囲の理解を得ることに努めよう。
また、近年では会員数の減少とともに、一人ひとりが担う役割も相対的に増加する一方、活動資金は年々(ねんねん)減少している。また、諸物価の高騰や各種負担金の増加に伴い、収支は一層厳しさを増している。現在の仕組みを維持、発展していくには財務面での視点を会員が持ち、75周年、80周年に向けた未来を見据えた議論を交わすことが必要である。会員拡大に取り組むことはもちろん、会費収入以外の収入を増加させる仕組みを考案することや、デジタル技術を活かした会議運営や広報活動の見直しなどを通して、持続可能な組織運営を日々心がけよう。
こうした議論は、時に会員相互の考え方が真っ向からぶつかりあい、ともすればお互いにいがみ合うことも起こりうる。しかしながら、そのような議論を行う前提条件として会員自身が組織や活動の意味と目的を理解することが必要であり、理解することを通じて、自分自身の活動の幅や視点も広げることにつながる。こうした議論ができることこそ、青年会議所という組織や所属会員をより高みにもたらす土台となり、議論の過程でお互いの主張を理解し尊重する姿勢を持てば、多様性を受け入れた持続可能な組織となっていく。
三重ブロック協議会事務局の主管と出向のすすめ
本年度は、6年ぶりに公益社団法人日本青年会議所東海地区三重ブロック協議会会長の輩出と事務局主管を担うことになる。また、 公益社団法人日本青年会議所の会頭を東海地区から、東海地区協議会の会長を三重ブロック協議会から輩出する稀な年である。事務局主管の経験は数年に一度の機会であるだけでなく、輩出LOMや輩出ブロック、輩出地区として、私たちがこれまで以上に注目される一年となるであろう。この貴重な一年を負担と捉えるのではなく、我々会員にとっても新たな視点をもたらしてくれる好機としよう。
出向先での経験は、多くの学びと気付きを得るだけでなく、地域を越えた視座をもたらし、地域の枠を越えた友情を育む。そして、その学びとご縁は今後の自分や自分が所属する組織に新たな発展の機会をもたらしてくれる。普段関わらない他者との出会いと交流を通して、自身と組織の発展につなげられる出向の機会を積極的に活用していこう。そして、出向に関わる人全てが我々の代表として存分に活躍できるよう、当事者意識を持って全力で支えていこう。その積極的な姿勢こそが出向者にとっての大いなる励みとなるだけでなく、自分自身の自己成長にもつながるのだから。
むすびに
青年会議所という組織はつくづく不思議な組織である。多くの会員は、入会当初とは異なる価値観を持って卒業していく。機会の提供を通して、いつの間にか新たな気付きを得て、自らの持つ可能性を広げていく。
人が社会生活を営んでいく中で、利害関係なしに様々な物事に真摯に取り組む機会はそう多くない。貴重な20代、30代の時間を青年会議所活動に費やす意味を見出せるか否かによって、会員の成長速度は大きく変わり、その時間に一際輝きをもたらしてくれる。
また、その過程で、自分自身だけでなく身近な人々を幸せにする術に悩みながら深く考え、周囲との関わり方を見直す機会ももたらしてくれる。青年会議所活動を支えてくれる身近な人々がいるからこそ、一層感謝の念をもち、日々の青年会議所活動だけでなく家庭や社業に邁進する姿勢を生み出す。
新たな価値観を得た人は、それまで自分自身が想像もしていなかった領域へ踏み出すことにつながり、こうした行動が会員や地域に広がることで明るい豊かな社会の実現に向かう一歩となる。
一歩踏み出す勇気を持って、新たな自分を見出す楽しみに気付き、仲間と共に周囲を巻き込み、自分を、地域を変えていこう。
お問合せ
一般社団法人四日市青年会議所
三重県四日市市三栄町3-14 カタオカビル6F
TEL:059-351-2544 FAX:059-352-7265
受付時間:13:00~16:00(月・水・金)












